年収の壁は2026年からどう変わる?103万・106万・130万のいま

2026年は「年収の壁」が大きく動く年です。税金の壁は178万円まで上がり(2026年分)、社会保険のいわゆる106万円の壁は、2026年10月に撤廃される予定です。一方で、130万円の壁は残ります。この記事では、3つの壁のいまを整理します(2026年8月12日現在)。

記事を書いた人

飯塚 幸花

ぷらねっと広島支社の総務・経理担当。給与や社会保険の実務にたずさわっている。

税金の壁は「103万円」から実質「178万円」へ

税制改正で、所得税の基礎控除と給与所得控除が引き上げられました。2026年の1年間の給与収入が178万円以下なら、本人に所得税はかかりません(国税庁の案内)。配偶者控除のラインも上がり、配偶者の給与収入136万円以下が対象です。

ひとつ注意があります。この引き上げは、2026年11月までの月々の給与には反映されず、12月の年末調整でまとめて精算されます。月々の手取りがすぐ増えるわけではありません。

また、勤め先の家族手当(配偶者手当)の支給基準は会社ごとの決まりで、103万円や130万円のままの会社もあります。手当をもらっている方は、就業規則の確認をおすすめします。

「106万円の壁」は2026年10月になくなる予定

現在、従業員51人以上の会社などで働くパートの方は、週20時間以上・月収8.8万円以上(年収およそ106万円)などの条件を満たすと社会保険に入ります。このうち月収8.8万円という金額の基準が、2026年10月1日に撤廃される予定です(厚生労働省「年収の壁への対応」)。撤廃後は、金額ではなく「週20時間以上」が実質の線になります。

「壁がなくなる」とよく言われますが、消えるのは金額の基準だけです。週20時間の基準と、会社の規模の基準は残ります。規模の基準は2027年10月から段階的に広がり、2035年10月には会社の大きさにかかわらず適用される予定です。

社会保険に入ると、保険料の分だけ月々の手取りは減ります。その代わり、厚生年金で将来の年金が増え、病気やけがで働けないときの傷病手当金などの保障も付きます。どちらが得かは働き方によって変わるので、迷う方はご相談ください。

「130万円の壁」は変わらず残る

家族の健康保険の扶養に入れるのは、年収130万円未満(60歳以上の方と障害のある方は180万円未満)の場合です。この基準は変わっていません。従業員51人未満の会社で働く方などは、引き続きこの130万円が目安になります。

残業などで一時的に130万円を超えても、勤め先の証明があれば連続2回まで扶養にとどまれる仕組みが、2025年10月から恒久的な制度になりました。また、19歳以上23歳未満のお子さんなどは150万円未満まで広がっています。ただし配偶者の方は対象外です。

住民税はおよそ110万円が目安

住民税は所得税と別の物差しです。2026年度分からは、おおよそ給与収入110万円以下が非課税の目安になりました。上限の額は市や町で少し異なります。

3つの壁の早見表

2026年の状態
103万円(所得税)178万円に引き上げ(2026年分。12月の年末調整で精算)
106万円(社会保険)2026年10月1日に金額の基準が撤廃される予定(週20時間以上・51人以上の基準は残る)
130万円(健康保険の扶養)変わらず(一時的な超過は勤め先の証明で連続2回まで扶養にとどまれる)
住民税(約110万円)2026年度分から約110万円が目安(市や町で異なる)
2026年8月12日現在。出典=国税庁・厚生労働省・日本年金機構。

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